【K.A】アリスに魅せられて。
見渡す限りあるのは白い壁、白い天井。
なに、誰なの?
『ねぇ、あんたはそれでいいの?』
声はまだ喋り続ける。
楽しそうな、試すような話し方。
アリスはそのからかわれているような話し方にカチンときた。
「だれなの、あなた」
どこを見ていいか分からず一応天井を睨みつけた。
『気が強いね。いいよ、僕はそうゆう子好きだから』
なにがおかしいのかクスッと笑う声。
『あんたが気に入ったよ。だからさ、もっとがんばってよ』
今度は突然後ろから聞こえたその声に振り返った。
「きゃ…!!!?」
アリスは悲鳴を上げて尻餅をつく。
だって…
「な、なに…あなた、その身体…」
顔だけがぼう…と浮かんでいる。
気味の悪い黄色い瞳に紫色の髪の毛。
こっちを楽しそうに見ている。
『僕が怖い?』
にっこりと笑った。
…すごく、性格が悪そう。
顔が整っているのが唯一の救いだろうか。
「…おばけ?」
『…さあ、どうだろう。』