【K.A】アリスに魅せられて。
眉をひそめ、きっと睨みつける。
「あなたなの!?あたしをこんな所に連れてきたのは!」
アリスは大きな瞳を細めて言った。
不思議な少年はそのアリスの剣幕に一瞬目を大きく開けた…が、次見たときはまた笑っていたので驚いたのかも分からなかった。
「何がおかしいの?あたしを家に帰しなさいよ!」
笑っていた少年がフッと笑みを消した。
黄色い瞳が冷たく光る。
『…本当に?』
「え?」
少年は一瞬消え、今度は真横に現れる。
『あんたは思っていた。退屈なつまらない世界から抜け出したいと…』
アリスはその言葉に固まった。
『いいのか?またつまらない世界に閉じ込められても…』
機械みたいに決められたことを毎日続ける…色のない世界に、
あたしは本当に戻りたいと思っているの?
『あんたは…』
「いやよ!!」
アリスは叫んだ。
嫌よ。あんなところにずっといたらあたしは…
少年はにっこりと笑った。
『やっぱりここに来たのがきみでよかった』
すうっと身体が現れた少年。
紫とピンクの縞模様の服。
その鮮やかな色彩に一瞬ぎょっとしてしまった。
「その服…恥ずかしくないの?」
『ふれないでくれるかな』
アリスから少年は数歩離れた。