眠りの国から愛を込めて
アラームの音で目が醒めた。不思議な夢を見たせいか少し鼓動が早い気がした。
時効は1時半僕はコートを羽織り自転車で向かうことにした。なんてことない近所の空き地だが田舎の空は十分澄んでるし俺ぐらいしか人もこないだろう絶好の場所だった。

自転車を置き空き地の真ん中で寝転び空を仰ぐ空一杯に広がる星空に圧倒されていた。

あまりに広大な星空に自分の抱える不安や悩みの小ささが恥ずかしくなるほど感動していた。

息を吸い込みゆっくり吐き出す。まだ流れ星は見あたらない。ゆっくり待てば良い。そう思いまぶたを閉じる。夜の風と地面の冷たさがやけに気持ちが良かった。

何かが地面に当たる音がして目を開けて見渡すと自分のすぐ横に女の子が立っていた。思わず体を起こし彼女を見上げた。

いつから隣にいたんだろう。目を閉じてた時間はそんなに長くないはずなのに。
話しかけようとしたがやめた。まだ夜は冷えるこんな時期に淡いブルーのパジャマを着た彼女に声をかければ厄介なことになると考えたから。
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