好きでした.
*第一章 きみ
真っ黒の闇の中
俺は歩きつづけた。
そしたら見つけたんだ
君を。ちいさな君を。
君は泣いていた。
その姿があまりにも
かなしくて辛そうで
俺は君を抱き締めようとしたんだ。
君は叫んだ。
いやだって‥
目が覚めると朝だった。
「はあ‥」
最近この夢ばっかりみる。
「ちくしょ‥」
なんなんだよ‥
俺頭おかしいのかな
なんておもいながら
時計をみるともお9時を指していた。
「‥学校サボろ」
と、二度寝に入ろうとしたとき
枕元にあるケータイがなった。
「なに」
不機嫌な声で電話にでる
「なにじゃねーよ、バカ
お前学校さぼんの?」
電話のあいては早川翔。
俺の親友。
俺は市川はじめ。
翔とは中学1年からの付き合いだ。
「サボるつもりだけど?」
「だめ、早く来いよ。
1年にめちゃくちや可愛い娘いるぞ。」
あ、今日入学式だっけ。
「あいにく俺は女にこまってないんで。」
そう俺は女に不自由してない。
去る者拒まず来るもの追わず。
そんな俺もどうかとおもうが
それでもいい
と寄ってくる女のほうが
おかしいとおもう。
「しょうがねーから行ってやるか。」
渋々準備をはじめた。
学校につくと休み時間なのか
廊下はにぎわっていた。
「市川。」
俺は担任に名前をよばれた。
「はよーっす。」
「はよーっす ぢやねーだろ
昨日髪の色暗くしてこいってゆっただろ‐。」
げ。わすれてた。
「そのうち染めますよー」
俺は金髪にちかい髪の毛を
いぢりながらいった。
「あと遅刻すんなよ。」
適当に返事をして
教室に戻った。
「また怒られたのかよ。」とゲラゲラ笑う翔。
「うるせーよ」
俺何のためにこの学校入ったんだっけ?
そう考えながら窓の外を見た。
「‥なあ、翔」
「なんだよ。」
「俺いつか本気で誰かを
好きになれっかな」
‥知らなかったんだ。
好きになるってゆうの
一途に想うものだって
俺、女をとっかえひっかえしてたからさ
一途に誰かを想うなんて
できなかったんだ。
お前に逢うまでは―‥