好きでした.


「ありがとおございます。」

未愛は笑った。
悲しそうな顔で。


「はじめ!!」

翔になまえをよばれた。
「なんだよ。」
「教室もどるぞ」


俺は渋々教室に向かった。


―未愛。
俺は未愛がすきだ。

こんな感情初めてだった。


こんなにも
好きだ と



愛しい と―


そうおもえたのは
きっと本気で未愛が
未愛のことが
すきだから―。


だからそんな悲しい顔で
笑うなよ。

作り笑いしないでくれ。




お願いだから。



「おい。市川あ!」

担任に名前を呼ばれ
おれの思考回路は
ストップした。


「なんすか。」

「なんすか。ぢやねーよ!
人の話をきけえ!!」

そう怒鳴られた。
前にすわっている
翔はケラケラ笑っていた。

「なになに?
未愛ちゃんのことでも
かんがえてたの?」
「‥おう。」

翔は口をパクパクした。


「まぢ惚れしてんの?」
「おう。」

翔は深呼吸をして

「はじめが惚れる‥ねえ。」

ボソッとつぶやいた。




「わりぃかよ。」




翔はまたゲラゲラと笑った。
それをみた担任が
うるせえ!!
と次は翔に怒鳴った。

俺は、笑った。



放課後未愛に会いに行こう

そんなことを
かんがえながら―‥




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