好きでした.


一瞬龍先輩という
名前がひっかかったが


そんなことどうだってよかった。



未愛、泣くな。
泣かないでくれよ。


それだけで
頭がいっぱいいっぱいだった。





泣いている未愛を
ほうっては置けずに


俺は教室にはいり
未愛を抱き締めた。


「未愛、泣くなよ‥」

一瞬未愛の身体が
ビクっとした。



「‥やだ。」


―‥え??


「ぃや‥だっ。」


俺は何が起こったのか
わからなかった。



未愛は俺を突き飛ばした。
「未愛‥?」

未愛の名前をよんだ。




それで我に返ったのか
ごめんなさい‥
ごめんなさい‥
と、謝ってくれた。

‥泣きながら。




「俺こそごめんな‥。」





未愛の頭を撫でた。


その瞬間
未愛は、狂ったように
泣き始めたんだ。


声をあげて。



俺は、未愛の隣りに
いることしかできなかった。




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