先生と王子様と演劇部な私。
第三章

9:演じてあげる

 ――そのまま朗先生の車で、堀木戸さんとの待ち合わせ場所に向かうことになった。



 いよいよ王子様に会えるんだ……どうしよう、緊張する。私は助手席でお行儀よく固まっていた。



「緊張してんのか?」


 運転している朗先生に聞かれ、はい、と答える。もう朗先生を見る余裕もない。



「で、何で会いたいんだ?」


 ……! 朗先生の質問にドキリとした。



 自惚れかも知れないけど、私の王子様だから会いたいなんて言ったら、また朗先生が怖い顔をしそうで言えない……。


「演劇についてちょっと聞きたくて……」

 つい、適当にごまかしてしまった。100%嘘じゃないし、いいよね。


「ふぅん、そのわりには緊張し過ぎだな」

 朗先生はあまり納得してないって返事だ。

「好きで緊張してるわけじゃないです……」

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