先生と王子様と演劇部な私。
「ぉー」


 中はお洒落なカフェ、という感じで丸テーブルやきちんと仕切られたボックス席などがいくつかあった。

 人はチラホラいたけど、勉強している人もいれば話しながら食べている人もいる。休憩所ってところなんだろうけど、こんな所なら入り浸っちゃうかも。




 またキョロキョロしていると、朗先生が「職員専用」と書かれた扉の中に入って行った。いいのかな? と思いつつ、仕方がないので私も後について行く。




 こっちの中は少し狭くて、壁際にカウンター席とテーブル席が三席。



 その一席に黒髪の男の人が背中を向けて座っていた。

 朗先生は真っ直ぐそこへ向かう。





 ――もしかして、この後ろ姿の男の人が掘木戸さん?






 そして……王子様?




 緊張が一気に舞い戻ってきた。
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