先生と王子様と演劇部な私。
 へぇええ! よく分からないけど、ここを見る限りでも、結構大手の予備校みたい。


「平、余計なことばかり言うな」

「いーじゃん、俺、可愛い子には親切なの」


 そう言うと、また私をニコニコ見てくる。朗先生が怖い顔をしてもまったく知らん振りの堀木戸さんって凄いかも……。



「しかし、ホントに朗が先生やってんの? まだ信じられねぇ! 先生は生徒を守るもんなんだよ? 朗、大丈夫?」


 堀木戸さんが明らかにからかった調子で言うと、テーブルの下で鈍い音がした。



「いってーーーーーー! 朗ぁ!」



 ……どうやら足を蹴られたらしい。



「で? 何か俺に聞きたいことがあるんだって?」


 堀木戸さんは足をまださすりながらも、身を乗り出して私に聞いてきた。



 王子様か確認したい……ちらり、と思わず朗先生を見ると目が合う。また見てた?
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