先生と王子様と演劇部な私。
「俺は中学からもう、自分が主役になるのは当たり前だと思っていた。五年前のコンクールでシンデレラの王子役も、当然俺だと思っていたよ」
朗先生が一旦そこで言葉を止めて、続ける。
「――でも王子は平に決まり、俺は執事役に決まった。……石川先生が独断で配役を決めたんだ」
最後の石川先生が、というところは苦々しく呟く。そして、朗先生は大きく息を吐いた。
「周りのやつらは驚いていたが、結局は平を認めた……。メインの配役は、もう学園祭でも変わることはないし、執事なんてやってられるかって、短絡的に演劇部に退部届けを出した」
私は黙って見つめ続ける。
「柚子に言った、脇役でも舞台に立つ以上同じだろ、なんてとても言えた義理じゃないんだ」
朗先生が自嘲気味に微かに笑った。
朗先生が一旦そこで言葉を止めて、続ける。
「――でも王子は平に決まり、俺は執事役に決まった。……石川先生が独断で配役を決めたんだ」
最後の石川先生が、というところは苦々しく呟く。そして、朗先生は大きく息を吐いた。
「周りのやつらは驚いていたが、結局は平を認めた……。メインの配役は、もう学園祭でも変わることはないし、執事なんてやってられるかって、短絡的に演劇部に退部届けを出した」
私は黙って見つめ続ける。
「柚子に言った、脇役でも舞台に立つ以上同じだろ、なんてとても言えた義理じゃないんだ」
朗先生が自嘲気味に微かに笑った。