先生と王子様と演劇部な私。
講堂に入ると、堀木戸さんは衣装を上座の隅に置いて、裏から舞台を眺めている。
舞台の上では、朝一番から使用していた吹奏楽部の子たちがまだ片付けをしていた。
朗先生が一緒のお陰か、部外者の堀木戸さんは怪しまれていないみたい。
「まさか、またここからの景色を見ることになるとはなぁ、朗?」
堀木戸が感慨深げに眺めながら言った。でも朗先生は何も答えない。
朗先生にとっては、やっぱり複雑な場所なんだろうか……。
あと数時間もすれば、少しだけど私もここに立つ。
客席にお客さんがいないせいか、自分が演じる不安はまだなかった。照明はあの辺で、なんて裏方の癖で周りをチェックしてしまう。
自分たちの公演が終わった後は…………王子様が観れるんだ。
舞台の上では、朝一番から使用していた吹奏楽部の子たちがまだ片付けをしていた。
朗先生が一緒のお陰か、部外者の堀木戸さんは怪しまれていないみたい。
「まさか、またここからの景色を見ることになるとはなぁ、朗?」
堀木戸が感慨深げに眺めながら言った。でも朗先生は何も答えない。
朗先生にとっては、やっぱり複雑な場所なんだろうか……。
あと数時間もすれば、少しだけど私もここに立つ。
客席にお客さんがいないせいか、自分が演じる不安はまだなかった。照明はあの辺で、なんて裏方の癖で周りをチェックしてしまう。
自分たちの公演が終わった後は…………王子様が観れるんだ。