先生と王子様と演劇部な私。
『ごめんごめん。柚子ちゃん、心配かけて悪かったね』

「いえ、大丈夫なら良かったです」

『軽い捻挫だってさ。俺ね、昔怪我して、右足はすぐ挫いちゃうんだよ』


 あぁ、だから朗先生は「右足じゃないか」って気にしてたのか……。


「そうなんですね……。歩けるんですか?」

『うん、大丈夫! 俺ちょっと、メイド喫茶には戻れないけど、六時に講堂に来てくれるかな?』


「え?」

 講堂って……。


 五時には一般入場が終わり、生徒だけの後夜祭が始まる。そのタイミングに便乗すれば確かに講堂、つまり舞台は貸切状態になるけど……。


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