先生と王子様と演劇部な私。
朗先生は私の左手を取ると、跪いて(ひざいまずいて)顔を伏せた。
「学園祭のときの俺は、自信喪失状態で演じていたんだ。初めて緊張もしていたし」
さっき準備のときに聞いた、泣きたいくらい緊張していた舞台……?
「演じた後で拍手を聞いても、不安だった。舞台は俺だけで演じてるわけじゃない。主役はシンデレラだからな」
そう言ってから、朗先生はゆっくりと私を見上げた。まるで無音映画のワンシーンのように優雅に動く、その行動ひとつひとつに目を奪われる。
「だから、柚子が俺に向かって、本物の王子様? と聞いてきたことや、褒めてくれたこと、そしてこの俺の王子を見てシンデレラになりたいと言ってくれたこと。すべてが……」
先生はそこで目を閉じ、少し息を吸った。
「俺の救いになった……」
朗先生はそう呟くと、私の手の甲にキスを落とした。
「学園祭のときの俺は、自信喪失状態で演じていたんだ。初めて緊張もしていたし」
さっき準備のときに聞いた、泣きたいくらい緊張していた舞台……?
「演じた後で拍手を聞いても、不安だった。舞台は俺だけで演じてるわけじゃない。主役はシンデレラだからな」
そう言ってから、朗先生はゆっくりと私を見上げた。まるで無音映画のワンシーンのように優雅に動く、その行動ひとつひとつに目を奪われる。
「だから、柚子が俺に向かって、本物の王子様? と聞いてきたことや、褒めてくれたこと、そしてこの俺の王子を見てシンデレラになりたいと言ってくれたこと。すべてが……」
先生はそこで目を閉じ、少し息を吸った。
「俺の救いになった……」
朗先生はそう呟くと、私の手の甲にキスを落とした。