先生と王子様と演劇部な私。
 朗先生の言葉がひしひしと伝わってきて、私は思わず胸を押さえる。


 ――だけど。


「朗先生、いつから私が五年前の子だって、気が付いていたの?」

 
「……最初から」


 最初からって?


「由美先生の代役を頼まれたとき、柚子のクラスだったから引き受けた……。こういう子たちよ、とみんなの写真を見せられて、その中に柚子がいたからだ」


「えぇ!?」


 朗先生は立ち上がって、驚く私の頭を優しく撫でた。


「俺が何で、柚子のことをいつも見てたと思う?」


 そう言って、先生が私の顔を覗き込む。私は首を横に振った。



「柚子に気が付いて欲しかったんだ。俺は見つけたぞって」


 見つけたぞ……?


 私の疑問を感じ取ったのか、朗先生が、言っただろう? と軽く笑う。



「僕が貴方を探しましょう、と」
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