先生と王子様と演劇部な私。
 見ると、入り口に立っていたのはやっぱり朗先生だった。教室のライトで眼鏡が反射して表情はよく分からない。


「部活が厳しいのは当然だ」

 先生が言いながら近付いてきた。


「でも、脇役なんだから多目に見てくれてもいいのに……」

 戸惑いを隠すように言うと、先生は目の前に立って腕を組む。

「脇役でも主役でも、舞台に立つ以上同じだろ」

 ジッ、と眼鏡の奥の瞳が私を見据えた。怖いくらい整った顔に思わずクラクラきそうだ。


「急に顧問らしいこと言い出してる……」

 普段は黙ってるくせに……と苦し紛れに続けると、朗先生はフンッと鼻をならした。



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