先生と王子様と演劇部な私。
「また、平の代役ですか」


 由美先生が驚いたように目を丸くした。

「違うわよ!」


 その慌て方が、肯定してんだよ。


「とにかく、俺はやりませんよ」

 そう言ってソファから離れようとしたとき、由美先生がお腹を押さえた。

「いたた……」

「……大丈夫ですか?」

 これは……。


「私妊婦なのに、ちゃんと話し聞いてくれないなんて、お腹いたくなっちゃう」


 なんだよ、それ。あんた、ニヤリと笑ってるじゃないか。


「仮病はいいですよ。……もう」

 仕方なく、俺はもう一度座った。
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