先生と王子様と演劇部な私。
「ん? どうしたの?」

 二人の女の子がカメラに向かってピースをしている。


「……演劇部って……」


 俺の言葉をいい意味で勘違いしてくれたらしい由美先生が嬉しそうに説明しだした。

「この子は飯山エミ。中学から演劇やってるのよ」

 そう言って緩いパーマが掛かった子を指差している。


 ――違う、そっちじゃない。


「もう一人のこっちは……」


 ゆず、か? yuzu……あのペンダントに彫ってある名前……。




「仲舘柚子、高校から演劇部に入った子よ」




 ――見つけた……。
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