先生と王子様と演劇部な私。
「先生ぇは、今日はここにいるですかぁ?」

 そう言いながら、俺の腕を掴んでくる。



 ――抑えろ、俺。


「あぁ……」

 イライラを殺しながら返事をすると、視線を感じた。



 一年生のずっと向こうにいる柚子と目が合う。




 当たり前だが、柚子もメイド服だった。

 いつもおさげにしている髪を結わずに下ろし、カチューシャで留めている。


 …………。
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