先生と王子様と演劇部な私。
 先生は上半身をこちらに向けると、私の右手を取った。



 何だろう……? と魂が抜けたようにその動きに魅入ってしまう。





「お望みであれば」

 朗先生はそのまま手の甲に、キスを落とした。


「――!!」



 その後、どうやって部屋まで戻ったかあまり記憶にない。
< 34 / 238 >

この作品をシェア

pagetop