先生と王子様と演劇部な私。
 何ですって~! ヒドすぎる!



 私は朗先生の前に立ちふさがり、ビシッと指を差した。



「……人を指差すなと教わっただろう?」

 先生が嫌そうな顔をしたので、私は慌てて指を引っ込め、グーを突き出す。

「……」

 今度は呆れた顔だ。何か悔しい~!

「ひへるもんならひってみてくらさい!」(言えるもんなら言ってみてください!)

 真正面から睨むと、朗先生は無視して歩き出した。


 言えないくせに……と私はブツブツ文句を言いながらも、ついて行くしかなかった。
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