先生と王子様と演劇部な私。
「だって先生、車の中とか、時々怖い顔してたよ」

 朗先生はちょっと驚いた顔をしたけど、すぐ微笑んだ。

「それでずっと見てたのか?」

 そ、そういうわけじゃないけど、と私は少し赤くなって答える。




 朗先生が微笑んでくれると嬉しい。笑ってくれると嬉しい。

 朗先生と話していると嬉しい。

 朗先生といると……。




 意識したくないけど、もうどんどん朗先生のことを考えてしまう……。




「ん?」

 何かが落ちてる……。拾ってみると、定期入れ?


「あ!」


 開いてみると、朗先生の免許証だった。

「何だ? ……おー、やべぇ、さっき落としたかな」

 朗先生は私の手元見て、目を丸くしてる。

「さんきゅ、なくしたらマジやばかった」

 私が手渡すと、先生は免許証をポケットにしまった。
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