先生と王子様と演劇部な私。
 私はそんな朗先生を眺めながら、頭の中で計算を始めていた。


 朗先生の生年月日を見てしまったから。


 六月生まれ……ってことは、今は二十三歳になっているってことで……。

 二十三歳……若い。スーツを着ている姿は二十五歳くらいに見えるのに。でもさっきは二十歳くらいにも見えたしなぁ……。

 そして、五年前は……私は色々想像しながら考える。


 学園祭は十月。つまり、五年前の先生は……やっぱり高校三年生だ……!



「朗先生……」

「ん?」

 帰りの車の中で、思いきって切り出した。



「朗先生は……桜ヶ丘学園の卒業生?」




「……あぁ」






 ――やばい。ドキドキしてきた。





 ……ひとつの可能性に。






「じゃぁ、三年生の時、演劇部だった……?」


 先生が、もしも王子様だったら……。


 もしかしたら……。
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