先生と王子様と演劇部な私。
「金髪……」


 他の写真も見ていると、金髪の子が写っていることに気が付く。ホント、いかにも脱色しました! っていう金髪なんだけど…。


「校則まで違ってたの?」

 私の質問に、由美ちゃんはまさかー、と笑った。


「その髪のせいで、二年の頃から生活指導に何度も呼び出されてたわよ」

 つまり、三年生?


 金髪の男の子と、黒髪の男の子が写っているツーショット写真もあった。

 少し横を向きながらそっぽを睨んでいる金髪と、その肩に手を掛けて笑いかけている黒髪の男の子。どちらもかなりのイケメンだ。

「あぁ、これね~」

 由美ちゃんはその一枚を抜き出し、私によく見てごらん、と手渡した。



「この黒髪の子が、この王子様だった子ね」


 由美ちゃんはパラパラと戻って、最初に見せてくれたコンクールの舞台写真を指した。


「え!」
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