僕の道に

なんだコイツ!!


『凄いイメージ崩れたわ。』

「それはどーも。」

『可愛いくねー。』

「カッコよくねー。」


ああああ!

なんだこの変なやつは!

俺のあの、トキメキを返しやがれ!!


「始業式やっから、廊下並べー。」


先生が声をかける。

あ……今日から新学期か。

すっかり忘れてた。

俺は立ち上がり、廊下に行こうとする。


「おい、童貞。」


その呼び名はやめろ。


「無視?」

『うるさい。童貞言うな。』

「上田蒼空。」


…………は?


「あたしの名前!まだ言ってなかったでしょう?」


そう言って微笑んだ彼女に、俺は顔を赤くさせた。

上田…蒼空か……。


「さ、自己紹介も済んだし!並ぶよ童貞くん!」

『うるせえっ!』



.
< 11 / 19 >

この作品をシェア

pagetop