僕の道に

俺にも、わかる日はくるのだろうか?


「そろそろ戻るか。始業式が始まる。」

『あー…うん。』


俺は煙草を足で消し、教室に戻った。


『…………え?』


不意に声が出てしまった。


「どうした?」

『あの子…誰?』


目を奪われた。

髪が長くて、綺麗な黒。

肌が真っ白で透き通っている。


「誰の事言ってんの?」

『浅瀬と話してるやつ…。』


俺、見た事ないんだけど……。


「ああ。上田のこと?」

『上田!?俺、初めて見たんだけど。』

「あー…無理もないな。」


中森はため息混じりに言う。


『なんで?』

「上田、不良少女。」


…………はい?

なんだって?


『それ、マジ?』

「うん。本当。」


あんな綺麗なやつが…?



.
< 7 / 19 >

この作品をシェア

pagetop