僕の道に
え?今楽しそうに話してたよね?
「あ…見ちゃった?」
うっ上田…だよな?
『え…あ…いや。』
「もう素直に見たって言いなよ。あ、これアンタしか知らない顔だから。」
“俺しか知らない顔”
なんか特別な気がして、嬉しくなった。
は!いかんいかん。
『じゃあ…さっき浅瀬と話してた顔は…?』
「表の顔。アイツ、案外使えるのよ。」
やめてくれ。
これ以上、俺のイメージを……。
『……マジかよ。』
「ごめんね、イメージ壊れたでしょう?」
そう言って微笑む上田に、キュンとする。
え?俺なにキュンとかなってんの?あれ?
「アンタ、石倉匡月でしょう?サッカー部で、確かゴールキーパー!」
『あー…なんで知ってんの?』
「さあね、内緒。」
キュン。
駄目だ、俺今日おかしい……。
.