大好き。
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「あ、あのさ」
水城が一人でいる時を狙って声をかける。
そりゃあ、ずっと女子に囲まれてる訳じゃないからね。
「あたし、髪切ろうかなぁなんて思ってるんだけど。どうかな?」
「えっ髪切るん?」
水城が驚いたようにあたしを見つめた。
「阿呆!そないなことしたらあかん!」
「……え?」
あまりの迫力にポカーンと水城を見つめる。
「切ったら切ったで似合いそうやけど……もったいないやん、めっちゃ綺麗な髪してんのに」
「そ、そうかな」
「俺は今の方が好きやで?」
首を傾げながらあたしの髪を触る。
「あーうん。わかったありがとう」
棒読みで言うけど、頬が緩むのを感じる。