大好き。
「もうすぐバレンタインだね」
「…えっ無理!絶対渡さないし!」
真奈の意図を理解して、全力で拒否するあたしを冷たい目で見る。
「なんで?」
「そんなの好きですって言ってるようなもんじゃん!」
「優はもうちょっと好き好きオーラ出していかないと」
「でも…」
「本気な優を見れば水城くんだって本気で考えてくれるかもよ?」
……。
「じゃあ一応……作ってみようかな。チョコ」
作ってみるだけね。
うん。
「でもバレンタインって日曜だったよね?」
学校無い日じゃん。
「家まで行けば?」
「なっ…!それこそ好き丸出し…」
「丸出しくらいがちょうどいいよ」
ニコニコしながら言葉を遮られる。
「家の場所知らないもん」
「そんなのわたしがいくらでも調べてきてあげるから」
うぅ……もうやるしかないか…。
「マジっすかぁ…」
「マジっすよ?」
…うん。
この数時間後に“水城くんの住所わかったよー”って言って笑う真奈がちょっと怖く感じたことは秘密。