大好き。
「そう?……えっと、木塚さん…だよね」
「えっ何で知ってるんですか!?」
「ふふ……秘密」
ニッコリ笑う先輩に思わず頬を赤く染める。
「優ちゃん…って呼んでもいいかな?あと、真奈ちゃん」
「何かわたしはついでみたいな言い方ですね」
「あはは、そんなことないよ。…俺のことは大翔でいいからね」
じゃあね、と手を振ってそのまま去っていった。
「怪しい先輩だなぁ…」
真奈が腕を組んで首を傾げた。
「そう?普通に優しい先輩だったよ」
「んー…ずいぶん嬉しそうだね、優」
「そ、そうかな」
「まあ、優にはあれくらい優しいがちょうどいいかもねぇ」
真奈の言葉に身体が固まる。
「あ、あたし別に…」
「はいはい。そろそろ時間だから帰ろっか」
うぅ……。
若干拗ねながら真奈の後を追った。