大好き。
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「優ちゃん」
「あれ……大翔先輩」
放課後になって、校門のところを通ろうとしたら大翔先輩がいた。
「待ってたんだよ。……一緒に帰れるかな」
「え、えっと…」
ちらっと真奈を見ると、ニヤニヤしながら“がんばれ”と口ぱくで言われた。
「……はい。大丈夫みたいです」
「真奈ちゃんは?」
「わたしは結構です、塾があるので」
真奈、塾なんてやってないじゃん。
なんてひねくれた考えを消して、大翔先輩に集中することにした。
「じゃあ帰ろっか、優ちゃん」
……。
「は、はい」
「優ちゃんの家ってどこらへん?送ってくよ」
大翔先輩がそう言うと、あたしが指さした方へ歩き出した。