大好き。
「何かあったら俺に言うてな?相談乗ったるから」
「はいはい」
女の子が大好きな彼だから、どうすれば付き合えるか分かんないし。
みんなと遊びたいから、彼女もつくらないらしいし。
だから、あたしも含めて女子はみんな苦戦してる。
告白すると“俺、浮気するで?”とニコニコしながら流すという噂もある。
噂っていうか…何回もその場面見たことあるんだけど。
「……相変わらずだね。もっと素直になればいいのに」
親友の中野 真奈‐ナカノ マナ‐。
癒し系で、優しい。
肩まである明るい茶髪と猫目が印象的。
「なれるもんならなりたいよ」
苦笑しながら答える。
「っていうか、水城くんの何がそんなに良いの?」
「えっ」
真剣にあたしを見る真奈から視線を逸らす。
そんなこと聞かれても…。
「…まぁいいわ。やれること全部やってみよ」
「やれることって?」
「アピールだよ!わたしも手伝うから」
ねっ?、と可愛く笑顔で首を傾げる。
あたしだって真奈くらい可愛かったらアピールするけど。
ちらっと水城を見ながら、あの日のことを思い出した。