大好き。
「わかった、わかった。どっか行くから、その防虫スプレー下ろしなさいって」
「わかったんやったら、はよどっか行け」
ニコニコする先輩を思いっきり蹴る水城。
笑顔を崩さずに、先輩は出て行った。
……大翔先輩のキャラがどんどん壊れてく気がする。
「優ちゃん……ごめんなぁ、バカ兄貴が」
「う、ううん」
ポンッと頭に手を置いて撫でられる。
「俺……ナンパから助けたん優ちゃんでよかった」
「お、覚えてたの?」
話題に出たことなかったから、忘れられたのかと思った。
「当たり前やろ」
甘い声でそう言うと、ぺろっとあたしの唇を舐めた。
「優…」
また甘い告白をされそうだったから、今度はあたしから唇を重ねた。
「ふふ…大好きやで?」
照れ隠しに関西弁を真似して言う。