ヴァンパイアと人魚姫
その後も、海を見回ったが海には変わりがなかった。

海を見回っているうちに日は暮れ、月が出ていた。


「今日は、綺麗な満月だ。」

私は、海を上がった。


月は幻想的で私は大好きだった。


私が小さい時に死んだ母が歌っていた歌を死んだお母さんに聞こえるように、月に向かって歌うのだ。


「～～♪♪～♪」


歌っていると月の横から何かが出てくるのをサラは見逃さなかった。


その影は、だんだん大きくなっていき私に近づいてきた。


「やっぱりお前か。サラ」


「エレス！」


影の正体はエレスだった。

エレスは、ただ私の顔をじっと見ていた。


「何？」

私がそう聞くとエレスは少し考えた顔をした。


「あのさ、９年くらい前に会った事無いか？俺に。」


「９年前…」


私の歳は、１７歳だから９年前と言ったら、８歳の時だ……。

そして９年前に母が亡くなった。


確かに、母が亡くなったのを知って月に今みたいに歌っていた時に、同じ歳ぐらいのヴァンパイアに会った。


その時は、私は泣いていたが、会ったヴァンパイアも泣いていたんだ…。
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