ヴァンパイアと人魚姫
女の人の首に自分の牙を入れた時、父は黙って俺を見ていた。

そして、血を飲みほそうとした時、彼女の唇がほんの少し動いた。


「ヴァ…ヴァンパイア…ニ……アリ……ト」


かすれていたが俺には、彼女の言いたいことがわかった。


『ヴァンパイアにしないでくれてありがとう。』

彼女は、そう言いたかったんだ…。

そして最後に俺に微笑んで彼女は、永遠の眠りについた。


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