ヴァンパイアと人魚姫
父は彼女が死んだのを確認すると俺に近寄ってきた。


「エレス…人間は儚い命を持つ生き物。そして我々の餌なのだ…。それ以上でもそれ以下でもない…。」


俺は、自分の腕の中で死んでいる女の人を離すと家を飛び出した。



その場にいることが出来なかったんだ。


最後に俺に微笑んでくれた優しい人…


俺が近くに行かなければあの人は死なずに済んだ…。


俺があの人を殺したんだ。
< 34 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop