ヴァンパイアと人魚姫
「エレス！」


エレスは私の前に出てきた。


するとメリーは、ポケットからオレンジ色の水が入ったビンを取り出した。


「サラ！危ない!」

メリーはそう言うとビンの蓋を開けた。


すると今まで暗かった空がいきなり明るくなった。


「くそっ！魔女め…。人魚よ覚えとけ、お前の母親を殺したのはエレスだと言うことを…。」

エレスの父は、そう言うと月のドアへと入って行ってしまった。


しかしエレスは、その場にいた。


少しすると魔法が解け、空はまた暗くなった。


「エレス…。嘘よね？私のママを殺したなんて…」


「俺がお前のママを殺した。」

表情を変えずに言ってくるエレスに私は、動揺した。


「なんで！どうして私のママを…！」


エレスの服にしがみついて泣きながら聞くと、エレスは手を振り払ってきた。


「言っただろ？人間は餌でしかないんだ…」

そう言うとエレスは月のドアへと行ってしまった。


（嘘でしょ…エレス…）


私は、その場に居ることしかできなかった。
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