ヴァンパイアと人魚姫
でもそれ以上にエレスをここで失う方が何万倍も辛かった。


「ごめんね…パパ…」


私は、そう言うと赤い真珠を口に含みエレスの口へと真珠を移した。


すると、エレスが目を開けた。

「うっ俺…」


「エレス!」


私はエレスの胸に勢いよく飛びついた。


空は明るくなり、元の姿に戻る時間を過ぎていた。


しかし、私とエレスは人間のままだった。


「赤い真珠…見つけたよ…。エレス。私達、人間になったんだよ…」


そう言うとエレスが私に抱きついた。


「サラ…ありがとう。」


「エレスも私の事、命がけで守ってくれてありがとう。」


私がそう言うと、エレスは私から離れ海にいる私の父の方へと向かった。
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