新月の夜
私!?」

ぐっ、

指を入れ、広げる。

「あ…痛い!!」
「麻友美、麻友美!」

悠太は名前を呼ぶ。そして、

「や…痛い!!」

血が滴る。

「ん…、」

何か入る感じ。

「あぁっ!!」


「私…!?」

祐貴は、

「したんだね。その男何か言ってた?」
「…私の名前。いつもチビ呼ばわりするのに…。わからないよ…。」
「その男の気持ちがわかればいいのに。」
「祐貴。私ばかり…。」
「助けられたから。あの時、姉さんの愛を知った。僕の使命は姉さんを助けること。弟としての。寂しい時や悲しい時、抱きしめてあげる。あの時の姉さんみたいに。姉さんが違う所にいても僕は近くにいるからね。三日月のピアス。僕だと思ってね。」
「うん…。」


次の日、麻友美は短大に行くと沙織が。

「大丈夫?いつも大人しい麻友のあんなカオ見たことなかったから…。」
「ごめんね。麻友の悠太くんへのキモチはどうなの?」
「…。」
「話せないの?」
「…わからない。煩わしい。憎たらしくて生意気。チビ呼ばわりして。何なのよ、チビのくせに…って。」
「彼、麻友のこと女として見てるよ。」
「…そんな事ない。嘘つき。どうかしてるわ。」
「…彼は嫉妬してただけ。麻友が好きだから。」
「…有り得ない。」
「いつ彼と出会ったの?」
「…8月かな。」
「本当に?確かめてみようよ。」


練習。普通に進んでる。麻友美は悠太に、

「…ちょっと来て。話があるの…。」

連れ出す。

「何?」
「…あなたの気持ちを知りたい。」
「は?」
「…何であんな事するの?」
「…チビにそんな事言えるか。」

麻友美は、

「顔貸しなさいよ!殴るわ。」
「…そう言われて従うのか?」
「従いなさいよ!」
「…わかった。」

悠太はかがむ。麻友美は手を振りかざす。

(殴られる!?)

悠太は目をつむる。

(あれ?)

「…!?」

目を開ける。麻友美は背伸びしてキス。
悠太は目をつむり、手は麻友美の背中へ。
悠太は舌を絡ませる。長いキス。
解いた時、麻友美は、はぁはぁ息をあげる。悠太は、

「声を出すな。襲ってしまう!」
「…欲情してるの?」
「ああ、そうだ。
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