新月の夜

「言わせたのは誰だ?」
「…。」
「そのうちわかるよ。だってオレの嫁さんだぞ。」
「一生あつきについてくね。」

ちゅっ。

「カラダはおあずけ。結婚前にできちゃったら殺される。」
「いいよ。待ってる。」
「きれいなままあげる。」
「明日挨拶行くから。もう待たせられない。近いうちに入籍しよう。結婚式は落ち着かないとできそうもないけど。」
「はい。」


次の日、仕事、質問は、何故あつきがいないのか。

「…帰京してまして。」
「何故こんな日に帰京などするのですか。」

絢美は、

「お兄ちゃんはっきり言えばいいのに。かっこよかったねぇ。お兄ちゃん。」
「…おい!」
「何が何が?」

美里は聞く。

「あんなカッコイイお兄ちゃん初めて見た。生プロポーズだよ生。」
「こら…。」

みんな、

「生プロポーズ!?」
「…あ〜あ。言ってしまいました。」
「プロポーズって?」

悠太は聞く。亜希は、

「昨日、弟がオフで私らが仕事をいいことに彼女を呼んで…。2人きりの部屋。それはそれは、いい雰囲気でした。誤算なのは、私たちが帰ってくることを忘れていたこと。見た時はびっくりしましたよ。見たことあるカオ。中学校の1つ下の学年。高校は中学校の隣。」
「まさか、すること…。」

悠太が言うと、

「キスさえも1回しかしたことない人がするとでも?寄り添ってただけですよ。あなたではないですから。」
「……。」
「でもまさか私たちの前で大胆にプロポーズするのですから弟も勇気ありますよね。証明。何かあれば証人がいる、逃げられないと。ですから、早く挨拶行きなさいと行かせたのです。黙っておいて下さい。本人から直接聞いた方がいいでしょう。」
「…はい。」

絢美は、

「本当にかっこよかった…私、赤くなりそうだった。」

亜希は、

「さてと、その話は置いておいて仕事。」
「はい。」


麻友美は絢美に、

「昨日のメールはそれね。」
「うん。」
「どんな人?」
「かわいいよ。あつきお兄ちゃんには勿体ないくらい。彼女、本当にお兄ちゃん好きだから敵わないや。絶対に同じアパートに住ますもん。お姉ちゃんと近くにいたい。」
「寄りすぎてもお兄さんヤキモチやくよ、」
「いい
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