新月の夜

親には内緒にしていましたから。迫る親に疲れから、そんなのいらない！と吐き捨てた。いなくなって半年後、いつも通り成果がなく、帰る。心はもう限界でした。荒れて、食事を抜くぐらいは平気で。ふと、自分のブログを見た。すると、あさみの目撃情報が。それをあさみだと信じるしかなく、すぐに行動しました。」
「…何故その情報で？」

亜希が聞くと。

「見た人は、その女性が妊婦だと知っていて、それを信じた。向かった先にはやはりいました。お腹はもう大きく、いつ産まれてもおかしくないくらい。重い体で、逃げようとしたのを止めた。あさみは謝った。私は、プロポーズした。あさみはびっくりしていた。指輪をはめると、泣いていた。あさみも同じく、お揃いの指輪をネックレスにかけていた。そして、その日はあさみのアパートに泊まり、次の日に戻った。」


夜、あさみは、

「痛っ…。」

とうなる。

「大丈夫！？まさか…！」
「…違うよ。この子、よく蹴るの。元気よくて。男の子かなぁ。早く出たいと急かして。」


「母親のカオしてた。優しく撫でて、」


「落ち着いて？パパがいるから嬉しいの？痛っ…返事したのね。」


「私も触ってみる、ドンドン振動がある。」


「わっ！？」
「興奮してるのね。ふふふ。優しく撫でてあげて？」

なでなで。心臓の鼓動。

「蹴りはおさまったみたい。安心して眠ったのね。」


「そして帰りの車、私はあさみのお腹を気にした。左手の薬指には指輪。終始あさみはお腹を撫でていたよ。不安だっただろう。家族に事実を告げずに逃れて来たから。初めて知るのはお腹を大きくさせた姿。私の携帯を貸して、あさみは未亜に電話した。…どう言えばいいのか悩んでいた。」

和也は、

「どうして父さんはおばさまを選んだの？」
「未亜から恨まれてるくらいわかっていた。でも、未亜にとってあさみは大切な妹。それに私は未亜を嫌いにはなれなかった。未亜がいないと出会えなかった。何より5才も下ですから。あれくらい大胆じゃなければ心を開くことはなかったでしょう。未亜はもちろんあさみを見て驚く。隠れていた私を疑い、責めようとした。あさみは真実を話した。それでもひどい事言うから出ました。確かにひどい男ですけど。あさみはそれでもかばってくれた。…未亜は