新月の夜
だし。」

未亜はムスっとする。義人は、

「考えすぎだよ。」
「…ほんと未亜には信じられてないな。それに義人、フォローになってない。数打つなんて失敬な。大切にしてた。」

ナオキだ。

「なら何であさみを妊娠させたの!」

睨む。義人は、

「妊娠させるまでに何回したの?言わないと本多さんの信用無くす。」
「…お姉さんに言えるか?」

未亜は、

「あさみをめちゃくちゃにしたのね!たくさん奪って!」
「…ここは言っておいた方が。」

義人は言う。ナオキは、

「…一回しかしてない。大切にしたかった。でもそれがあさみにとって苦痛だった。愛されているのか不安になった。あさみに本当に愛されてる?と迫られたオレは感情のまま抱いた。それしかしてない。だからこそ妊娠したときまた不安にさせた。それが真実だ。お姉さんの未亜には言えるか?」
「一回の行為でもあさみを奪ったのは確か。」
「未亜は大事なお姉さんだ。認められなくても一生慕う。」
「……。」
「あさみが待ってる。早く来ないと和也寝るよ。うとうとしてる。」


戻ると和也はあさみに抱かれてすやすや眠っていた。

「ごめん、寝ちゃった。」

未亜は、

「いいよ。また来た時に抱くね。うるさくしないように帰るね、タカも帰ろうよ。起こすと悪いし。そうだね。」


二人は帰る。あさみは窓から覗く。ナオキは、

「どうした?」

歩きの義人と車の未亜は、お互い手を振ってる。(演技)

「…あの人おかしい。何か感じる。」
「は?」
「あの男の人何者?」
「オレの大親友だ。文化祭の時いたよ。」
「何か隠してる感じ。」
「名前?高瀬義人。」
「…?(何か引っ掛かる…何だっけ?)」
「引っ掛かる?」
「…何か気になるの。」

ナオキはあさみを抱き寄せる。

「ナオキさん大好き。」
「あさみ、愛してる。」


未亜は義人のアパートへ先に着く。鍵を開けようとする。

ギュッ。

振り向く。

「未亜、おかえり。」
「さっきまで一緒にいたのに?」
「ふふ。」

中に入る。入るなり待ちきれず床に倒す。未亜は、

「ダメ。今日生理中なの。」
「それはしかたない。でも、生理中でもできることくらいある。」
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