新月の夜
う。」
「新米パパだね。へへ。大丈夫、私もあさみに聞くもの。」
「ぎこちないね。」
笑顔。
実家に着く。車を止め、中へ入る。みのりが応対する。
「あら、義人くんと未亜ちゃん、どうしたの?」
義人は、
「両親に会いに来ました。」
「どうぞ。」
みのりの合図で入る。居間には両親、兄、妹がいる。父は、
「どうした?」
息子の急な訪問に不思議そう。
「兄さん、最近どう?」
「…どうっていたって普通だ。」
「兄さん焦ってない?」
「は?」
「何も気にしないくらいでいい。」
「…お前に何もわからない。お前こそ、いい話ないのか?」
「あるから来た。」
「え?」
「彼女妊娠してる。」
「!?」
「新婚だし、なるべく急かさないようにした。今2か月なんだ。」
「…そんなの、お前が早くできても私は5年たってもその気すらない。」
「だからこそ言いたい。苦しめてない?重圧。小学生の頃から知っているからこそ言える。みのりちゃんそんなに強くない。」
「人の嫁に対してちゃんか!」
「これでも柔らかめに言った。素に言うとあだ名になる。小学生からの呼び方。お姉さんなんていきなり言えない。おかしすぎて笑ってしまう。」
「よ…。」
「堅苦しくなるより、よっちと呼ばれた方がしっくりくる。なっちもそう思ってると思うよ。それだけだ。兄さん、少しみのりちゃん借りるよ。大丈夫。嫁も連れてく。ならいいだろ?」
「…あぁ。」
昔の義人の部屋(残っている)
「…よっち、ごめんね。」
「いいよ。兄さんに暴力振るわれているのだろう?」
「…仕方ないわ。私不妊症だもの。出来損ない。…よっち、おめでとう。先越されちゃった。」
「…未亜の妹はデキ婚なんだ。」
「…え?」
「順序を違えた。19で妊娠して、今は2人の子持ちさ。未亜ら家族が妹の妊娠を知ったのは妹がもうすぐ産みそうな時、命懸けで逃げたからね。妹は純粋だから未亜は相手を恨んだ。…そういう相手も純粋な男だった。」
「どんな人?」
「結婚式には来るよ。妹は都合により旧姓で。相手は…来るはず。ラブ×2なのに。できない。」
「どうして?」
「誰にも内緒にするなら言ってもいいよ。」
「内緒にするわ。」「……(未亜は黙っている)。」
「あと、みぃに黙っ
「新米パパだね。へへ。大丈夫、私もあさみに聞くもの。」
「ぎこちないね。」
笑顔。
実家に着く。車を止め、中へ入る。みのりが応対する。
「あら、義人くんと未亜ちゃん、どうしたの?」
義人は、
「両親に会いに来ました。」
「どうぞ。」
みのりの合図で入る。居間には両親、兄、妹がいる。父は、
「どうした?」
息子の急な訪問に不思議そう。
「兄さん、最近どう?」
「…どうっていたって普通だ。」
「兄さん焦ってない?」
「は?」
「何も気にしないくらいでいい。」
「…お前に何もわからない。お前こそ、いい話ないのか?」
「あるから来た。」
「え?」
「彼女妊娠してる。」
「!?」
「新婚だし、なるべく急かさないようにした。今2か月なんだ。」
「…そんなの、お前が早くできても私は5年たってもその気すらない。」
「だからこそ言いたい。苦しめてない?重圧。小学生の頃から知っているからこそ言える。みのりちゃんそんなに強くない。」
「人の嫁に対してちゃんか!」
「これでも柔らかめに言った。素に言うとあだ名になる。小学生からの呼び方。お姉さんなんていきなり言えない。おかしすぎて笑ってしまう。」
「よ…。」
「堅苦しくなるより、よっちと呼ばれた方がしっくりくる。なっちもそう思ってると思うよ。それだけだ。兄さん、少しみのりちゃん借りるよ。大丈夫。嫁も連れてく。ならいいだろ?」
「…あぁ。」
昔の義人の部屋(残っている)
「…よっち、ごめんね。」
「いいよ。兄さんに暴力振るわれているのだろう?」
「…仕方ないわ。私不妊症だもの。出来損ない。…よっち、おめでとう。先越されちゃった。」
「…未亜の妹はデキ婚なんだ。」
「…え?」
「順序を違えた。19で妊娠して、今は2人の子持ちさ。未亜ら家族が妹の妊娠を知ったのは妹がもうすぐ産みそうな時、命懸けで逃げたからね。妹は純粋だから未亜は相手を恨んだ。…そういう相手も純粋な男だった。」
「どんな人?」
「結婚式には来るよ。妹は都合により旧姓で。相手は…来るはず。ラブ×2なのに。できない。」
「どうして?」
「誰にも内緒にするなら言ってもいいよ。」
「内緒にするわ。」「……(未亜は黙っている)。」
「あと、みぃに黙っ