新月の夜
るのだから彼女もだいぶお疲れみたいですよ。」
「…あれは暴走しただけ。忘れたい。」
「それでも嫌いにならない彼女がすごいね。」
「…本当、彼女泣かしてばかりだ。」

史奈は、

「で、彼女は?」
「そのうちわかるよ。」

母も、

「わかると同時に子供できてるよ。」
「……。」
「まぁ私の息子だからできちゃって挨拶でしょ?」
「…ありえるかもしれない。」
「ナオキさんだけにばれてないだけだから。彼女の兄弟は公認でしょ?」
「…お兄さんに最初殴られた…。」
「へぇ〜坂井くんに殴られたのね。」
「…そうだった。母さんの…。」
「ふふふ、いいこと聞いた。」
「……。」
「あのかわいいコがねぇ。そうよねぇ、妹が男に奪われたと思ったら憎くなるか。多岐お兄さんには見られたら失言ばかり言うわ赤くなったわ。運命は変えられないわ。だから悠太はま…。」
「名前を言うな!?」

あつきと史奈は笑う。


あつきと史奈は帰る。すると、絢美が、

「お兄ちゃんどこ行ってたの!お姉ちゃんいなかったから寂しかったの。」
「…史奈はオレの嫁だ。」

史奈は、

「ごめんね絢ちゃん。あのね…お兄さん、絢ちゃん…私。」

史奈が言おうとするとあつきは史奈を寄せて、

「赤ちゃんできたんだ。」
「え!?」

絢美と亜希は驚く。

「だから少しでも力になりたくて兄さんのなついたあのお方の家に行きました。」
「ああ、悠太くんの家ね。」
「でも悠ちゃん仕事だよね。」
「お母さんだね。」
「うん。」
「あの方は、私を本当に可愛がってくれた。ハツコイかも知れませんねぇ。」

史奈は、

「お姉ちゃんは…。」
「万里は大事な人だ。忘れるわけないよ。」

絢美は、

「優しすぎだよ。いい人見つけないと万里さんも悲しむよ。…。」
「絢ちゃんは?」
「…う〜ん。少し気になる人はいるかも。」

兄2人は、

「なにぃ〜!?誰だって?」
「内緒だよ。」

あつきは、

「絢美ちゃ〜ん。」

甘える。

「気になるだけかな。へへっ。」

あつきは、

「誰だ、出会いなんて…あの中の誰か?」
「違うよ。」

亜希は、

「その人のどこが気になる?」
「優しい人だと思
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