新月の夜
うの。あまり会ったことはないけれど知りたい。知りたい事から始まる事もいいかなってね。へへっ」

亜希は、

「二つだけ聞いていい?その人、背が高い?年上?」

絢美は、

「背は高いよ。年は…下かな。」
「何となくわかった。」

あつきは、本当に?

「ある人聞いたら喜ぶよ。ご自慢の…。」

絢美は亜希に抱き着いて、

「それ以上言わないで。」
「当たり?」
「……。」
「誰だよ兄さん?」
「言ったら絢美の信用を無くすから。」


絢美と亜希は二人きり。

「話してみたら?彼と話すくらい麻友美さんに言えばできる話。」
「…何でわかったの?」
「何となく。二つの質問で確かめただけ。」
「…でもお兄ちゃん。」
「気にしていたら何も進まない。お兄ちゃんは反対しない。心配しなくてもいい大人だし、あればするさ。もう抱けないね。」
「お兄ちゃん…。」
「いいよ。冗談だし。じゃあ話してみる?」
「ま、待って!…迷惑だよ。」


「もしもし、麻友美さん?」
「絢ちゃんのお兄さん?」
「亜希です。弟さんいますか?」
「祐貴?いますよ。」
「代わって頂けないかな?二人で話したい事があります。女人禁制です。」
「は、はい…。」

麻友美は祐貴の部屋に。

「祐貴、電話。」
「え…。」
「早く話して?」

渡す。強引。

「え、えぇっ!?」

麻友美は部屋に戻る。

「姉さん…。…もしもし。」

祐貴は喋る。

「お久しぶりです。」
「えっ…と。」
「喋って欲しい人がいる。いいかな。」
「…はい。」

亜希は絢美の部屋に。

「電話だよ。」
「え?…もしもし。」
「えっ!?」

祐貴は絢美の声にびっくりする。

「あ…ayaさん!?」

絢美は、

「誰?」
「え…っと。坂井祐貴です。姉がいつもお世話に…。」
「え!?…お兄ちゃん!」

亜希は頑張ってね。と合図。

「そんな…ごめんなさい。兄に仕組まれてこんな目に。」
「…いえ、姉にいきなり渡されて。」
「迷惑だよね…。」
「そんな…嬉しいです。」
「あの…家に来ませんか?あの…話したいななんて…。」
「本当にですか!?」

嬉しそう。

「…はい。」
「も
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