新月の夜
恋するふたりのかわいいいたずら
休み。約束の日が来てしまう。亜希はあつきに、

「麻友美さんを迎えに行って欲しい。史奈ちゃんが心配なら一緒でいい、それなら余計怪しまれないで済む。」
「…わかった。」

あつきは、少しお腹の膨らんだ史奈と迎えに行く。

「…何で私も?」

史奈は言う。

「…史奈を置いていけない。きっと兄さんの策略だ。」


麻友美はあつきの車に気付き、手を振る。あつきらは麻友美の横の祐貴に気付く。

「誰?」

二人は見つめ合う。祐貴はあつきを亜希だと思い、

「…おはようございます。」

つたない。麻友美は、

「祐、この人前のお兄さんじゃないよ。お兄さんなのは間違いないけど、私のマネージャーさん。前に言ったでしょ?絢ちゃんのマネージャーさんは私達のマネージャーさんの一つ上のお兄さんだって。あのお兄さんは独身だよ。」
「……。」

ビクビク。

「ごめんなさい。弟の祐貴です。おどおどしてないで、私がいるから、ね?」
「…うん。」

あつきと史奈は見つめ合う。

(背が高くて…年下…だよねぇ)
(うん。)

麻友美は祐貴に抱き着いて、

「落ちつけ〜。」
「…だって。」
「かわいい。照れちゃって。」
「…姉さんはいいよね。彼氏いて。」
「言ったらダメ!」
「ふふふ。」

あつきは笑って、

「弱みを突かれましたね。」
「……。」
「もうすぐ着きますよ。兄さんが行けって言うから、大事な奥さん置いていけないし。」
「お腹大きくなってきましたね。」

麻友美が言うと、史奈は、

「嬉しいですよ。あつきいいパパになりそう。今でさえ帰るなり撫でるから。」


絢美の家に着く。絢美は落ち着かない。

「ごめんね…わがまま。」
「い…いえ。」

ドキドキ。

(やっぱり)

亜希は、

「まあ上がって。」

上がる。祐貴から汗。

「大丈夫だから。」

麻友美は優しく声を掛ける。
みんな祐貴と絢美を二人きりにしようと画策する。そして絢美の部屋で2人きりになる。

「ごめんね、お兄ちゃんが呼んでしまって。」
「…あの。」
「ねぇ…あなたのこと知りたい。」
「……。」
「迷惑?」
「いえっ…。」
「誕生日は?」
「12月12日です
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