新月の夜
「誰かを待ってるの?」

祐貴は。

「(ayaさんだぁ。かわいいな…)姉を待ってるのです。」

ayaは、

「あなたのお姉さんはきれいな人ね。」
「…え?」
「では、」

麻友美達が戻ってきた。祐貴は、

「姉さんお帰り。何だった?あのね、僕、ayaさんに会ったよ。すごく美人で。喋ってきて。嬉しいな。」

麻友美は祐貴に抱き着き、

「あなたの命、私が助けるから。」
「…姉さん?」
「大好きだからね。約束、守るから。」


ayaは車の中。(マネージャー運転)

「いつもありがとう。お兄ちゃん。」
「…ここではその呼び方ではないでしょう。」
「ただ。呼びたくなった。お兄ちゃん。」
「…絢美。」
「妹でいさせて?私、お兄ちゃん好きだもん。」
「…嘘つきさんだな。いじめてる。」
「お兄ちゃんに構って欲しいから。今日は何食べたい?」
「絢美の作るのなら何でもいいよ。」
「ダメ。ちゃんと言って?」
「かわいらしい妹が作るのに文句言えない。お兄ちゃんが、絢美の料理に文句言ったことある?」
「ないよ。お兄ちゃん優しすぎるんだもの。」
「絢美は甘えるの好きダネ。」
「うん☆」
夜、麻友美が部屋にいると、携帯が鳴る。

「…もしもし?」

麻友美は出ると。ayaだ。

「今日はごめんなさい。話したくなっちゃったの。」

麻友美は、

「マネージャーさんがお兄さんですね。」

と言うと。

「気付いていたのですね。私の5つ上の2番目の兄です。私、4人兄弟の末っ子で、上3人がみんな兄で、亜希兄ちゃんがついて来てくれた。いつも守ってくれて。優しいの。今、お兄ちゃんお風呂入ってるからかけたの。私の本名は牧野絢美。19さい。〇月〇日生まれ。」

麻友美は驚く。

「私と同じ生年月日……。」
「本当?嬉しい!あ、あなたの弟くん見ました。そっくりね。」
「…ayaさんもお兄さんとそっくり。」
「へへ。あ、お兄ちゃんそろそろ出てきちゃう。タオル出さないと。二人暮しなの。ごめんなさい、また電話してもいい?」
「はい。」


兄は出てくる。
ソファー。兄は髪を拭いている。絢美は、

「お兄ちゃん☆」

甘える。兄は笑って、

「今日は甘えん坊だなぁ。よしよし。
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