新月の夜
「悠はナオキさんと私の息子です。」
「繰り返される…。」
「そろそろ行きましょう。」


悠太と麻友美はキスをしている。麻友美は疲れてくる。

「彼女を疲れさせちゃだめよ。お腹の子供が窒息してしまうわ。というより、見てる人の身にもなって。お義兄さん顔を赤らめてるじゃない。ね、愛しい息子ちゃん。」
「…やっぱりいたのか、ババァ。」
「きゃっ、初めて言われた。生憎私は気分だけは若いわ。ナオキさんを愛し続けてる。きれいでいられる秘訣よ。」
「……。」

母は麻友美を抱き、

「ごめんね、うちのろくでもない息子が妊娠させちゃって。」
「父さんの息子だけどかわいくないわけ?」
「とてもかわいいわ。」
「…父さんのことになるとのろける。」
「好きだから。それと、嫁姑問題は無しでいたいでしょ?こんなかわいい彼女なのにねぇ。あと、和にナオキさんを連れて来るように頼んだから。もうすぐ来るんじゃない?もしかしたら彼女のお兄さん来たりして。待たせるように画策したの。」
「…お兄ちゃん。」


その頃悠太の兄は麻友美の兄を呼び出していた。

「付いて来て欲しいです。」

麻友美の兄はおどおど。
兄は仮眠室へ。開ける。兄は驚く。悠太はドキドキ。

「す、すみませんでした!!」

兄は悠太の母と兄と義人がいるので何も言えない。兄は麻友美に気付き、

「麻友!」
「…お兄ちゃん。」

寄る。

「お兄ちゃん…ごめんね。」

兄は麻友美の髪を撫でて、

「何で謝るの?」
「だって…。」
「お兄ちゃんは麻友の味方だ。」
「お兄ちゃん…。」
「ん?泣かない。麻友は母親になるんだよ。」
「うん…。」
「泣き顔見ても笑顔見ても、妹はかわいいな。あげたくないくらい。避けられてるみたいで辛かったんだぞ。祐にはいち早く言ったくせに。祐ばかりに構うなんてヤキモチ妬くぞ。」。
「…だって。」
「年が近いから?祐が甘え過ぎなのか?」
「祐は独り立ちしてるよ。心配してくれてるだけ。」
「心配なら兄ちゃんだって…。」
「ごめんね、お兄ちゃんにも相談するね。」
「まあ祐が明るくなったのは麻友の影響なのはわかってるよ。また落ち着いたら兄弟3人で歩こうな。」
「うん。」


すると悠太の父親が来る。赤ちゃんを抱い
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