新月の夜
「悠太、おいで。」
「はい…。」
「小さい頃、なかなか遊びに連れてやれなくてごめん。一時も忘れた時などなかった。この写真に何度も癒されたものか。」
渡す。
「え?」
3枚の写真。4さいくらいの兄が1さい?の悠太を抱いている。兄がランドセルを背負って、保育園の制服を着た悠太と手を繋いでいる。父は兄を抱いていて、母はお腹を大きくしている。
「何で?」
「いつも持ち歩いているんだ。私に似ていった弟思いのしっかり者の和也と、甘え上手で母さんに似て甘いカオになっていった悠太。かわいい息子なのに愛しくない訳がないだろう。家族があるから頑張れる。どこの誰かさんは9人も子供いるし。」
「悪かったね。」
義人は答える。
「だから忘れないで欲しい。悠太は私にとってかわいくてかわいくて仕方ない息子なのだよ。」
「ありがとう、父さん。」
「ほら、彼女を抱いてあげないか。淋しがるぞ。不安になって逃げたらどうする。」
悠太は麻友美を抱いて、
「不安にさせて逃げさせたくせに。」
「ふふふ。今は大事にしてる。」
「父さんが母さんの事を言わなかったから母さんを困らせてた。」
「…それはすまないと思ってる。おじいさんから口止めされてたんだ。」
「反抗することだってできた。」
「……。」
母は、
「私が言わせなかったの。愛してるから。責めないであげて?」
「母さんは苦しんでた。」
「…辛かったわ。でも、家族がいたから信じられた。」
父は、
「浮気なんてしない。あさみはかわいい。だいたい浮気なんてしたらただでさえ気が強い未亜に包丁突き付けられるよ。」
「うちの嫁さんそこまで恐い?」
「あさみが失踪したときは殴られたし。」
「あれは妹大好きな未亜の心配だ。それにきちんと説明しなかったから。」
「……。」
「今でも妹大好きだからね。ただ、9人も子供いたらなかなか会えないけど。」
「子供9人も作らせたの誰だ?」
「だって未亜ちゃん拒まないんだもん。もうやめておく。年が年だし。」
「…でもしてるんだろ?」
「まぁね。」
「……。」
「頻繁にしてたら身がもたない。ちびらがけんかするわでそれどころじゃないよ。上は上で悠太ラブだからも聞かないし。」
「……。」
「そうか、悠太がね。まだ子供らには伏
「はい…。」
「小さい頃、なかなか遊びに連れてやれなくてごめん。一時も忘れた時などなかった。この写真に何度も癒されたものか。」
渡す。
「え?」
3枚の写真。4さいくらいの兄が1さい?の悠太を抱いている。兄がランドセルを背負って、保育園の制服を着た悠太と手を繋いでいる。父は兄を抱いていて、母はお腹を大きくしている。
「何で?」
「いつも持ち歩いているんだ。私に似ていった弟思いのしっかり者の和也と、甘え上手で母さんに似て甘いカオになっていった悠太。かわいい息子なのに愛しくない訳がないだろう。家族があるから頑張れる。どこの誰かさんは9人も子供いるし。」
「悪かったね。」
義人は答える。
「だから忘れないで欲しい。悠太は私にとってかわいくてかわいくて仕方ない息子なのだよ。」
「ありがとう、父さん。」
「ほら、彼女を抱いてあげないか。淋しがるぞ。不安になって逃げたらどうする。」
悠太は麻友美を抱いて、
「不安にさせて逃げさせたくせに。」
「ふふふ。今は大事にしてる。」
「父さんが母さんの事を言わなかったから母さんを困らせてた。」
「…それはすまないと思ってる。おじいさんから口止めされてたんだ。」
「反抗することだってできた。」
「……。」
母は、
「私が言わせなかったの。愛してるから。責めないであげて?」
「母さんは苦しんでた。」
「…辛かったわ。でも、家族がいたから信じられた。」
父は、
「浮気なんてしない。あさみはかわいい。だいたい浮気なんてしたらただでさえ気が強い未亜に包丁突き付けられるよ。」
「うちの嫁さんそこまで恐い?」
「あさみが失踪したときは殴られたし。」
「あれは妹大好きな未亜の心配だ。それにきちんと説明しなかったから。」
「……。」
「今でも妹大好きだからね。ただ、9人も子供いたらなかなか会えないけど。」
「子供9人も作らせたの誰だ?」
「だって未亜ちゃん拒まないんだもん。もうやめておく。年が年だし。」
「…でもしてるんだろ?」
「まぁね。」
「……。」
「頻繁にしてたら身がもたない。ちびらがけんかするわでそれどころじゃないよ。上は上で悠太ラブだからも聞かないし。」
「……。」
「そうか、悠太がね。まだ子供らには伏