新月の夜
いたりする。奈央はご満悦。母は、

「今のうちに悠を仕込んでおかないとね。」

兄は、

「悠ちゃんも罪だね。奈央に嫉妬されるよ。」
「奈央なら大丈夫。な?」

奈央は笑っている。

「奈央は悠がいればいいのよ。まだ何が何だかわからないみたいだし。」
「わかったら?」
「その時はその時よ。」
「母さんアバウトだね。悠ちゃんの子供をいじめだしたら?」
「きちんとしつけます。」
「もうすぐだよ。」


麻友美は家に着く。

「ただいま…。」
「おかえりなさい。どうしたの?お兄ちゃんと一緒に帰ってきて。」

兄は、

「麻友と一緒だったから。」
「何で?会社でしょ?」
「麻友が来たんだ。」
「え?」
「麻友が連れられて…というか、麻友と彼氏は彼氏の母親というか社長の奥さん公認のカップルだから。」
「へ?」
「麻友を溺愛しているんだ。」
「ママ、あのね…彼のお父さんには会った事はあるけど関係は知られていなかったの。」
「話して来たの?どうだった?」

兄は、

「受け入れられてた。」
「…そう。麻友、ママも本当は寂しいのよ。ただ一人の女の子。パパがデレデレで、お兄ちゃんなんてそっちのけで抱くのよ。もう笑っちゃって。いつかはお嫁に出すと覚悟してた。麻友が優しいから祐貴に構いすぎて婚期が遅れると思ってた。よかった。いつもひっついてたもの。学校も一緒に行って、祐が背が伸びだしたら、あの子も優しいから高い所のはすぐに取るし。に彼女ができて、振られても構い過ぎるし、一緒に買い物は行くし。周りから見たら恋人だよ。道を間違えて最終的に祐貴が麻友を倒したらどうしようとさえも思ったわ。ただ、祐も真面目だから理性が切れる事はないと思うけど。ねぇ、祐に彼女いるんでしょ。それって麻友が計らったの?祐もだんだんファッションを気にしだしてるし。まああの子にも男になって欲しいし。どこまで進んでるの?キスした?寝たの?」

うきうきな母。

「母さん!?」

麻友美は、

「…キス止まりかな?祐はプロポーズするか結婚するまでカラダの関係は持たないと言ってたし。」
「真面目すぎるわ…。」
「彼女の方が積極的だよ。祐を気に入ったのは彼女だし。最初は説得するの大変だったんだよ。僕でいいのかな?勿体ないよ。なんてね。
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