新月の夜
ナオキ。

「何でもいいよ。」
「…ナオキさん。」
「妻がかわいい事は嬉しいこと。」
「……。」
「おっかしいなぁ、元気無いし、かわいいあさみが台無しだ。」

ちゅっ。


ナオキはあさみのコーディネートをする。

「いいの?ここまで…。」
「いいよ。」

にこっ。

「あさみもこれからOLさんだし、かわいいお嫁さんでいてくれるお礼だ。ネックレスも買おうか。□□ージュ?△△ファ△ー?日替わりでいいか。」
「2つも?」
「いいよ。」

にこっ。

「…ナオキさん。もう30万以上も使って…。」
「構わない。あさみの為なら。和也も買おうか。」
「ナオキさん?」


車の中。ナオキはあさみにキス。

「お礼いただき。」
「……。」


「ナオキさんの優しさが嬉しかった。ナオキさんに抱かれて眠った。」
「……。」
「悠が産まれて産休明け、和也が、おとなしくしてるから悠ちゃんとママの会社に行きたい。と言って、ナオキさんに相談したら、いいよ。休憩中に少しでも子供達といれるのは幸せだ。と言って、連れて行った事があるの。別室に子供達を置いて、たまに来るからね、と言って残した。」


和也(4さい)は会社の廊下を歩いている。

゛ママ…どこにいるの?…怖いよぉ。゛

「どうしたの、ぼく。」

びくっ。

和也はおどおど。

「怯えているの?」

ふるふるふる…。

゛ママ…。゛

(あれ?この子、専務に似てるような…。)

「ぼくはいくつ?」
「よんしゃい。」

四本指を立てる。

「えらいね。」
「ほんとに?」
「えらいえらい。」

にこっ。

笑顔もナオキ似だ。そこへ、

「和也、どうしたの?」

あさみが来る。

「ママ!」

あさみは和也を抱いて、

「何かあったの?」
「ママ、ゆうちゃんがおもらししちゃった。」
「言いに来てくれたの?」
「うん♪」
「ありがとう。行くね。」
「ママ。」
「ん?」

ちゅっ。

和也はあさみにキスをする。

「もう…照れちゃうじゃない。でも、いいかな。じゃあ、行こうか。」
「うん♪」

(あの子…専務に似てる。本多さんの子供…愛人って…でも4才でしょ?働く前に
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